2019年7月7日日曜日

ボイスチェンジャー環境メモ

久々このネタでいきます。
ソフトウェア(VST)主体、ハードウェア主体それぞれにメリット・デメリットがありますが、現行環境は元々のソフトウェア環境に戻しました。

前がこれで...(写り切ってない機材もあり



今がこれ...


自称ミニマリストだから、やっぱりものがないのはいいですね!
オールVST(ソフトウェア)環境に戻した原因としてはRoland VT-4を常時変換モードにて運用していた背景が大きいです。

ボイスチェンジ変換部分においての常時変換と声判定変換の特徴としては

常時変換
・ささやき声の漏れ誤変換がない(VST変換はほぼこれに該当)
・声以外の環境音も常に変換する

声判定変換
・声以外と判定され素通りされた時、(ピッチ上げによる)破裂音などの甲高い音もある程度緩和できる
・声を入力しているのに声以外と判定され素通りする場合がある(大事故!!!
・クーラーなどのノイズ元になる音が常時入っている場合、声判定が甘くなる機種がある

大雑把に挙げると上記のような感じになります。
VT-4を常時変換で使っていたため、VSTでいいじゃんとなったわけですね。
また、ピッチ・フォルマントシフト変換部分を声かどうかで判定するハードウェア機材で、Roland VT-4/Degitech Vocalist Live FX/○〇-〇 ○ ○と触ってもいたのですが、ASMRなどで環境音を入れることを目的にしていない事もありました。

個人的には音響機材の針が振れていたり、ランプがついてるのをボーッと眺めるの好きなのですが、基本的にハードウェア機材を通すと音の解像度が落ちるという問題がありまして、これは機材単体で見れば問題で無くても、これらを接続する"物理的"なケーブルとその長さ、加えて両端のコネクタがネックになっていたりします。

そういった事も踏まえて、自由にオーディオインターフェース内部でこれをどこに、それをどこにと音の送り先が指定できるものが欲しくなり、TotalMix FXという専用ソフトが使えるRME Babyface Proに目をつけました。

とりあえずいつも通りハードオフで検索すると近場にて発見したので取り置きの電話...


定価10万円のオーディオインターフェースはもちろん買ったことも無いので若干緊張していましたが、その日のお昼にご対面...


財布からお金出すまで正直買うか買わないかで迷っていたけど、買わずに後悔するのは嫌なので買いました。
そして、家でとりあえず出音をAKG K701直接続で聞いてみたら中高音の立ち上がりが綺麗すぎて数日間家に帰るや音楽鑑賞を数時間してました。
そんな出音の素晴らしいBabyface Proですが、好みの問題になるところだけど、マイクプリアンプ部はGolden Age Project Pre-73 DLXの方がいい感じに聞こえていたので、
AT2050-Pre 73 DLX-VT-4-Babyface Proと物理的に繋ぎ利用していました。

...が、ここで1つ問題があります。
Roland VT-4のフォン出力は明らかにモニタリング用ステレオミニ出力より音の解像度が低い(?)ので、これを通すだけで"音質"は悪くなってしまいます。

今まで使っていた機材をリプレイスする過程で衝動買いしてしまったVT-4さんを無理に構成に組み込み使っていましたが、解像度が悪いものをよくする魔法は知らないので外すことにしました。

(電子機器・音響機材のある場所で喫煙はやめましょう)

これだけではVT-4って買う意味あるの???って思われるので色々な場所で使ってみた感想

・電池やモバイルバッテリーからの給電で動く(カラオケでも車内でも使える
・各種エフェクトやミュートが手元操作で出来る
・声判定変換/常時変換が切り替えられる
・PCと接続しイコライザ設定を入れ替えることでモニタリングと出音の性質を多少変更可

と言った感じで、筐体の小ささもあり、機動性を活かした用途にて頑張ってもらおうかなと思います!!

VT-4を外したことによってAT2050-Pre 73 DLX-Babyface Pro-DAW(にてボイスチェンジ)という構成になったわけですが、Pre 73 DLXの出音は所謂NEVEサウンドと言われてまして、Focusrite ISA ONEと似ている事と、元となっているビンテージ機材のモデリングプラグイン(VST)も複数あるので外しました。
オーディオインターフェースのマイクプリアンプ?そんなの使いません。ファンタム電源を入れる機械にしか思ってなかったりします。

あーだこーだ書いても仕方ないので、とりあえず現行のマイク-オーディオインターフェース以後のPC内のルーティングを以下にまとめます。

                    

モニタリング周りは手軽に弄れるのがいいので、アナログミキサーを用いて運用していましたが、ここでRME社オーディオインターフェースで使えるTotalMix FXの登場です。

                    

ぱっと見わかりづらいのですが、このような音の流れになっています。


Babyface Proの本体側AN1にマイクを繋ぎ、その音をDAWにて取り込んだものを2トラック用意しました。
↑の画像のDAW出力先となっているADAT 5/6から3本、PH 3/4・ADAT 5/6・Main (ADAT3/4)まで紫矢印で音を出している状態になりまして、モニタリングに使っているDAW側のトラック①からはPH 3/4に、配信に流す方の音②はADAT 5/6とMain (ADAT 3/4)に流している状態になっているので、仮に配信に流す音のモニタリング音声が遅延を感じる状態であったとしても、こちらはモニタリング用のみのトラック①の音声を聞きつつ、かつケーブルレスでルーティングが組めるものとなっております。
Voicemeeter Bananaでも同様の事が出来るかと思われますが、こちらは知覚できるレベルでの遅延はありません。これがすごい!

であるからして、配信側に流すトラック②の方がモニタリング用①と比べてほんの数10~50msec遅れを感じるものである場合でも通話にも使えます。(Little Alter Boyなど
また、歌録りの場合は後でトラックの調整で対応という感じになります。
(IRCAM Trax V3などのように400msec以上遅延のあるものである場合の通話利用は少し厳しいかも知れません)

上記のルーティング環境を構築し、DAW内のVSTはこれらを利用しております。


・マイクプリアンプ:Slate Digital FG-N/FG-73


WavesのVEQ3Scheps73、Sonimusのburnley 73なども有名なNEVE 1073アナログモデリングプラグインでおすすめですが、好きなの使え論で中音域のまるみがちょうどいいこちらを利用しています。
そこまでバリバリにかける人もいないと思いますが、FG-Nに強めにエンハンサやイコライザをかけても音が物故割れにくい気がします。
無料でNEVE 1073っぽいプリアンプを探してみたけど見つからなかったので、ただ音もれればいいっしょ的な方は適当にアンプシミュレーター系プラグインを刺せばよいと思います。

・ノイズゲート・エキスパンダー:NS1FLOORFISHGatelope


BOSSのNS-1というノイズサプレッサーをモデリングしたプラグインになります。
右のスライダーで設定した値より下の音にはノイズゲート・エキスパンダー処理(ズバッと消さずに不自然ないように消す)をするものです。
また、無料のものですとFLOORFISHやGatelopeおすすめです。
これらノイズサプレッサーとして売ってるのですが、普通に扇風機やクーラーの風切り音は声に乗ります。ですので、過度な期待はNGです。

また、iZotopeなどのノイズリダクション系プラグイン、iSP Technology Decimator IIやRocktron Hush Proなどのノイズリダクションハードウェアも試してみましたが、基本的にノイズリダクションをかけるほど声質が硬くなります。
ですので、使うとしてもゲート・エキスパンダーの方がいいと思います。何にしてもやりすぎはNGです。

・ピッチシフト/フォルマントシフト変換



ここらへんから更に有料VST祭りになりますがごめんなさい。
お手軽さと音の良さから個人的にずっとお気に入りなVSTになります。
ハードウェアで言うならDigitech Vocalit Live FXと並ぶ音質で、DAW内での動作になるのでケーブルでの問題は皆無。
トーン上げしてない地声入れてもピッチ+8~+10までは個人的に使ってもいいかなと思うレベルで破綻しづらいです。
VSTでのピッチ・フォルマントシフトは基本的に常時変換であるので、吐息やささやきももちろん変換の対象になるのですが、ピッチを上げすぎなければそこまで違和感ないと思います。
人によっては歌うことも出来るみたいですが、あくえりさんには無理でした。



1つだけ使ってくださいと言われたら喋りも歌もいけるこちらを選ぶくらい使っています。
無料VSTで挙げるならRoveeとほぼ同じくらいのレイテンシですが、吐息変換もLittle AlterBoyほどではないにせよRoveeより頑張ってくれるので、モニタリング用途として重宝させてもらっています。
体験版もあるので使ってみてほしいなと思います。


・エンハンサー/エキサイター



使うだけで音にきらめきを与えるという宣伝文句は嘘じゃないです。
しかし、こちらもやりすぎは禁物。声であれば倍音部分にかけて整えるために使ったり、直接声のキャラクターを変えるために基音部分にかけたりして利用しています。
無料のものでこちらと同様な動きをするものに、La Petite Exciteもありますので、とりあえず触ってみてどういうものか感じてみるのもいいと思います。



こちらつい最近導入してみましたが、今年買って良かったものTop 5に入ると思います。
どうやらエンハンス処理をかける部分が動的になっているようで、ボイスチェンジ用途以外にも音楽再生にもおすすめです。
また、Aphex ExciterのBig Bottom機能と同様の機能も含まれているので、単品購入出来ないのは残念ですが、Aphex Vintage Aural Exciterよりはこちらをおすすめします!


せっかく取り回しケーブルを減らしたのに、プラグイン刺しまくって音悪くするのも嫌なので、基本的にはDAW側でやることも最小限にしているつもりです。
歌う時はリミッターやイコライザも使っていることがありますが、基本的にはほんのちょっとの変化なので今回省いてます。
システム開発と同じで細かい環境構築に時間を割くのもアホらしいので、とりあえずDAW側にアンプシミュレータとピッチシフトプラグインを入れて、どんなもんかなってやってみるのもいいかなと思います。
DAWから出してるモニタリング用出力の方ですが、オールハードウェアで構築した時と何も遅延が変わらないので、Babyface Proを買うかUniversal Audio Apollo Twin MK IIを買うかAntelope Discrete 4を買うかで迷って今したが、TotalMix FXが使えることも含めてこちらでよかったなと思っております。

基本的にはピッチを上げて見て、そちらに合うフォルマントを微調整していくという感じで、裏声成分の使いすぎで入力音声がスカスカにならないあたりまでピッチを下げます。
あくえりさんの声の調整方法はVTuberの赤星ナナハ様がほぼ同様の方法でしたので勝手ながらリンクを張らせて頂きます。
ボイスチェンジャー完全に攻略しよ!!!