2020年1月1日水曜日

2019年のボイチェンメモ

というわけで明けましておめでとうございます。
今年も死なないように生きていこうと思います。

タイトルの通り、平成~令和にかけてやってみたこととその感想をつらつらと残しておこうかなと思います。

・オクターブ上げの設定からピッチ+1~+4に変更
2018年の10月くらいからまともにボイチェン触るようになったのですが、当初は今よりも楽してぇって気持ち全開だったので、ピッチは+12の1オクターブ上げでした。
ただ、これ楽といえば楽なのですが、そもそも1オクターブも音をピッチシフトしてしまうと、本来存在しない部分の低音や中音域が増加することにより、いわゆるボイチェンっぽさ(音が硬いであったりシャリシャリしている)が増えてしまうという問題を抱えておりました。

そこで、現行のAphex Exciterを導入し、低音域の厚み足しを図る事にしました。
大体の方がAphex Exciterやエンハンサーを使う際に中音域や高音域の抜けの強化を図るために利用すると思うのですが、そもそも1オクターブも上げてると音が抜けるとかどうこう以前に機械っぽさが多いのですよね・・・
そもそもピッチシフトで存在しない低音や中音域を生んでしまっているところにメス入れてどうなるかは不明でしたが、エンハンサーの基本的な使い方でもある「立たせたい音の上または下の倍音にかける」というアプローチのもと、現行Aphex Exciterで利用可能なBig Bottom(低音版エンハンサみたいなの)と普通にエンハンサー処理を施してみたりしました。
こちらの機材はBig Bottomで50Hz~200Hzの範囲、エンハンサー処理であれば600Hz~処理が可能となっており、基音を200Hzとしたときは100Hz~200Hzの間でBig Bottom処理、エンハンサー処理は基音x4(またはx5)Hzあたりに基本かけてました。
まぁ、想像に容易いと思いますが、そもそも変換時にシャリシャリしてる音をどうこうとかいう次元を通り越しちゃってるわけですね。
声にうぉーむ感を与えることは出来ましたが、配信を通して聞いた感じではFocusrite ISA ONEというマイクプリアンプを通した時とあまり変わらなかったです。
つまり、それくらい配信時は音質が劣化しているという事になります。

 正直これ以外アプローチ法が思いつかずお手上げ状態になったわけで、しばらくボイチェンして遊ぶこともなかったのですが、ぶっちゃけ初めてVT-1を触った10年前はヘッドボイスやミックスボイス叩き込んで使わないと音が破綻するのをふと思い出し、ピッチを思い切って+2くらいまで下げて使いました。
まぁ当たり前なんですけど、シャリシャリ感は皆無だし、ブレスのシャバシャバする感じもかなり軽減されるんですよね。
1オクターブ上げは自分にとって難易度が高いと思ったので、身の丈にあったピッチ下げ運用を決意するに至った日でもありましたとさ。
また、ピッチの設定に関しては日によって変えてたりするのですが、ピッチ移動幅を変えたとしても同じような声の高さで話せる練習をするのはボイトレでもかなり使える方法であるのでやってみるとよいかもです。


・高価なハードウェア機材を導入し高音質化を図る
ここで語るよりもこの記事見た方がぶっちゃけ早いけど、前々から気になってたお高いオーディオインターフェースに手を出すきっかけが欲しかったので勢いで買ってみたところあります。
録り音の品質向上に勝る高音質化はなし!という理論のもとオーディオインターフェースマイクマイクプリアンプを買ってみたわけですが、これもまた当たり前ですがめちゃめちゃ音よくなりましたよね。
どういう方向性でのよくなったかが説明しづらいのですが、自分が出してる声がちゃんと録音出来てる感といえばいいのでしょうか。
オーディオインターフェースとマイクだけでもかなり変わったのですが、マイクプリアンプは通すだけで声の輪郭がはっきりとして勝手にイケボに聞こえる魔法つきです。
この時、ボイチェン通すとピッチ調整幅に関わらず声がぼやぼやするのであれば、そうさせないような処理が必要であると再認識させられました。
ただこれにもメリットばかりでない事を説明させてもらいますと、音がよく聞こえるようになってしまう=嘘がつけなくなるという事なんですよね。
ちょっと手を抜いた感じで声入れてたりするとすぐわかるのでちゃんとしないとなぁってなります(ならない)
ですが、ソフトウェアボイチェン周りにおいて最も重要なループバック環境の構築のしやすさはRMEは世界一ィ!かも知れません。
Voicemeeter使っていいのは中学生までだよねぇと言わんばかりでありますが、それくらいめちゃくちゃなルーティングが出来るのはいい事です。配信中にえっちな動画見てても気づかれないですからね。


・普段とは違う話し方に挑戦してみる
4月か5月あたりからスマホアプリのRealityで配信をするようになっていたので、この頃から普段とは全く違うおっとりというかゆっくりというか遅すぎてイライラするくらいの話し方を練習するようにしてみてました。
思い返せば2018年の10月に友人にDiscordの導入をするように言われ、わけもわからず導入するとサーバーを追加して友達増やすのに使えるよ(できるとは言っていない)と言われたので、なぜか女声サーバーに行き、10年ぶりくらいに女声を出すっていうわけのわからん事をやったのが、ボイチェンとかいうのもあったなと弄り始めるきっかけでもありました。
女声練習お兄さんをしていた当時最も気を付けていたのがキャラづくり。
正直これがないとどういう風に話していいかベクトルが決めづらいので、結局中の人感が出てしまうんですよね。
ですので、おっとりしてそうな感じのRealityアバターをこさえて、モデルになるような話し方をしている人の音声を普段から聞きまくるとかいうことしてました。
個人的にはアバター見ながら話すのが演じやすいのですが、演技力とか言うのそもそも皆無なので、斎藤さん使って練習したりしてます。
色々な方にアドバイスを請ったりしてるのですが、やはりいろいろな方に言われるのがブレスの感じが不自然という点にあると思いました。
これはボイチェンにかけてしまうと起こる機械っぽさをピッチ下げで薄めたとしても、実際発声してるときのブレス感と一致しない事によるのかなとか今は思います。知らんけどね。
ですので、あくえりさんはあまりノイズゲートでガスンガスン声を削るような使い方は推奨しておりません。使うならエキスパンダーで自然な感じに息が入ったり消えたりするようにした方がいいと言われた通りだと思います。
ちなみにですが、ミュートマイクみたいなの使ってブレス感ばりばりのASMR配信みたいなのやってたこともありますが、結構色々な方を女性だと思わせる事に成功(?)していたみたいです。 おじさんでごめんなさい。

・ビンテージプラグインにすがるようになる
イコライザーやコンプレッサーやプリアンプは無料でもあるし・・・
違う違う違う!それじゃボイチェンの音のまんまが残ってるんですよね。
でも、Discordや配信だと音質劣化するからわからんし・・・
そんなんでええんか???
通すだけで音のキャラクターまでも変化させずとも風味が若干変えられるのがビンテージプラグインのいいところなんです。
それ使うためだけにUniversal Audioのオーディオインターフェースを買おうとしてるあくえりさんを止めてください
ボイチェンっぽさって言われる音の硬さの解消に最も使えると思われるのが、先ほど挙げたNEVE1073系プリアンプにあたると思っていて、これは通すだけでマジでイケボになるからみんな使ってほしい。1万出すだけで実機の音パクったハードウェア機材と同じ音が聞こえるとかお安いでしょ。実機だと5万からだよ?だから買って使ってみて欲しい。

その他にもUREIのコンプレッサーとかも通すだけですぐに音の輪郭がはっきりしてる感じが見えるので、とりあえず触ってみてほしいです!というか使え!


 ・2019年ボイチェン総括
ボイトレと同じで長い時間がかかると思うんですが、毎日せっせとやるような人でもないので気が向いたときにおかま喋りの練習するしかないのかなとか思います。
ただ、ひたすらに声を出すっていうのでは改善点が見つけづらいと思うので、出した音を録音して後で聞き返し、最終的な到達点があるのであればその音声と聞き比べるという事が大事かなと思います。
ありがちだと思うのですが、ひたすら声の調声をしていてよくわからなくなる現象が起こった際も少し眠ってから聞いてみるとかしてみるといいと思います。
ボイチェンに関してはどのようなハード・ソフトを使っていてもピッチ+1でも上げようものなら音の解像度が3.5~5割近くダウンする感じがするので、結局のところは録り音の工場で機械的に抗いつつ、口調や抑揚、息の入れ方で誤魔化していくのしかないのかなとか思います。

ピッチとフォルマントだけのアプローチではどうやっても自分の声の延長線にしからならない気がまた最近してきたところで、 調声がピーキーになりがちで弄り方がよくわかってないAntares Throat Evoを2020年は使って遊ぼうかなと思うので、声道モデリングの弄り方詳しいよって方がいたら教えていただきたいです!